「純粋単細胞的思考」 とろん著  晩聲社



 この世に好きな本はいろいろあれど、第1回目としてご紹介したい本はこれっきゃない。
 人、本、絵、しごと...いろんな出逢いがあり、ひとつひとつ大事にしたいと思う。けれど出逢うタイミングとか縁ってすごくある。そういう意味ではこの本との出逢いは必要なときに来るべくして来た出逢いだった。それにこの本は本屋さんで見つけたのではなくって、著者本人がコンサート会場で布を広げて手売りしていたところに偶然(必然)出遭った。著者のとろんが「いま、僕の本を買ってくれたら、サインしてあげますぅ」とへらへらしながら言っていたので、なんとなく「サインしてくださーい」と言ってしまった。中身も見ずに、彼のふわふわした雰囲気だけを信じて。
 帰り道から読みはじめ、その日のうちにはすっかり全部読んでしまった。 ちょうどそのときの自分が求めていたものだった。本の中にとろんの連絡先が執拗に登場してくるので(「僕をヒモにしてくれる人、連絡ください」と)、電話してみた。もちろん、ヒモをかこうつもりはないけど、ただ電話したくなったので。
 その後、しばらくして街売り帰りのとろんに、荻窪の「ほびっと村」で会った。「来週インドに行くことになった」と言っていた。「もう、しばらくはインドに行くこともない」と思っていたけど、「最近40度を超える熱が出て、涙もいっぱい出たの」といっていた。自分でこしらえた玄米のお弁当を分けてくれた。とてもおいしかった。
 とろんはこの本を書いてから、確か2,000人くらいの人と会ったといっていた。男と女とちょうど半分ずつくらいといっていたように記憶している。わたしは2,000人をとっくに超えて久しぶりに逢う読者のひとりだったようだ。彼は、「僕は縁を大切にしていますから。」ときちっといった。ふわふわっとしたオーラの中にきよらかな魂のある人だなと思った。
 もう7年くらい前の話だけど、今でもしんどかったあの日、こんな出逢いができたことを嬉しく思っている。

 とろんがサインしてくれた言葉:「No Worry, No Hurry, NORARIKURARI」

[本の内容] とろん2冊目の著作であり、「くるくるぱあ」の世界へのお誘いといった、一見、阿呆の体裁をとりながら、彼流の精神的な悟りへの道を表したもの。頑張りすぎてる人や「〜ねばならない」が多すぎるひとにはよく効くと思われる。
by MANI